文化遺産と自然遺産の不均衡
現在(げんざい)、世界中(せかいじゅう)の注目(ちゅうもく)と期待(きたい)を集め(あつめ)ている世界(せかい)遺産(いさん)。しかし、その登録(とうろく)をめぐって幾つか(いくつか)の問題(もんだい)が指摘(してき)されています。そのひとつとして、「文化(ぶんか)遺産(いさん)と自然(しぜん)遺産(いさん)の数(かず)の不均衡(ふきんこう)」があります。文化(ぶんか)遺産(いさん)と自然(しぜん)遺産(いさん)の数(かず)の不均衡(ふきんこう)2007年(ねん)現在(げんざい)、登録(とうろく)されている世界(せかい)遺産(いさん)は総数(そうすう)で851件(けん)です。そのうち文化(ぶんか)遺産(いさん)は660件(けん)、自然(しぜん)遺産(いさん)は166件(けん)、さらに複合(ふくごう)遺産(いさん)は25件(けん)です。まず、文化(ぶんか)遺産(いさん)、自然(しぜん)遺産(いさん)、複合(ふくごう)遺産(いさん)のそれぞれの定義(ていぎ)を確認(かくにん)しましょう:・文化(ぶんか)遺産(いさん)・・・顕著(けんちょ)な普遍(ふへん)的(てき)価値(かち)を有(ゆう)する記念物(きねんぶつ)、建物(たてもの)群(ぐん)、遺跡(いせき)、文化(ぶんか)観(かん)など。・自然(しぜん)遺産(いさん)・・・顕著(けんちょ)な普遍(ふへん)的(てき)価値(かち)を有(ゆう)する地形(ちけい)や地質(ちしつ)、生態系(せいたいけい)、景観(けいかん)、絶滅(ぜつめつ)のおそれのある動植物(どうしょくぶつ)の生息(せいそく)・生息地(せいそくち)などを含む(ふくむ)地域(ちいき)。・複合(ふくごう)遺産(いさん)・・・文化(ぶんか)遺産(いさん)と自然(しぜん)遺産(いさん)の両方(りょうほう)の価値(かち)を兼ね備え(かねそなえ)ている遺産(いさん)。文化(ぶんか)遺産(いさん)が自然(しぜん)遺産(いさん)の4倍(ばい)近い(ちかい)という不均衡(ふきんこう)の理由(りゆう)のひとつは、自然(しぜん)遺産(いさん)の保護(ほご)が難しい(むずかしい)、ということがあります。つまり開発(かいはつ)と保全(ほぜん)の摩擦(まさつ)が生じ(しょうじ)易い(やすい)ということです。たとえば、自然(しぜん)遺産(いさん)に登録(とうろく)されている、インドの「マナス野生(やせい)生物(せいぶつ)保護区(ほごく)」、中央(ちゅうおう)アフリカ共和国(きょうわこく)の「マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園(こくりつこうえん)」など、危機(きき)遺産(いさん)に登録(とうろく)されています。文化(ぶんか)遺産(いさん)と自然(しぜん)遺産(いさん)の登録数(とうろくすう)の不均衡(ふきんこう)のもうひとつの理由(りゆう)は、自然(しぜん)遺産(いさん)の場合(ばあい)、対象(たいしょう)となるのはひとつの山(やま)や谷(たに)、というのではなく、ある程度(あるていど)の面積(めんせき)をもつ地質(ちしつ)、生態系(せいたいけい)、景観(けいかん)などの全体(ぜんたい)です。したがって、1つの教会(きょうかい)、遺跡(いせき)、という文化(ぶんか)遺産(いさん)と比べ(くらべ)、その「普遍的(ふへんてき)な価値(かち)」の見極め(みきわめ)が難しい(むずかしい)ということがあります。また、登録(とうろく)の条件(じょうけん)として、登録(とうろく)された後(あと)、将来(しょうらい)にわたって継承(けいしょう)していくための保護(ほご)や管理(かんり)がなされていることが必要(ひつよう)とされます。そのために登録後(とうろくご)、保全(ほぜん)状況(じょうきょう)を6年ごと(ねんごと)に報告(ほうこく)し、世界(せかい)遺産(いさん)委員会(いいんかい)での再審査(さいしんさ)が行われる(おこなわれる)のですが、やはり、生態系(せいたいけい)全体(ぜんたい)の保全(ほぜん)は難しく(むずかしく)、またその評価(ひょうか)も困難(こんなん)です。しかし、「普遍的(ふへんてき)な価値(かち)」を持っ(もっ)ている、と共に(ともに)、これからもずっと「持っ(もっ)ていて欲しい(ほしい)」ものとして、文化(ぶんか)遺産(いさん)と自然(しぜん)遺産(いさん)、共に(ともに)認め(みとめ)、保全(ほぜん)に努めて(つとめて)いきたいですね。
世界遺産
現在、世界中の注目と期待を集めている世界遺産。しかし、その登録をめぐって幾つかの問題が指摘されています。そのひとつとして、「文化遺産と自然遺産の数の不均衡」があります。
世界遺産