危機遺産指定の解除

ユネスコ世界(せかい)遺産(いさん)委員会(いいんかい)によって、「顕著(けんちょ)で普遍的(ふへんてき)な価値(かち)」が認め(みとめ)られ、一定(いってい)の条件(じょうけん)を満たす(みたす)と判断(はんだん)されると、世界(せかい)遺産(いさん)に登録(とうろく)されます。しかし、登録(とうろく)と同時に(どうじに)、またはその後(そのご)の保全(ほぜん)状況(じょうきょう)の報告(ほうこく)、再審査(さいしんさ)によって、その「顕著(けんちょ)で普遍的(ふへんてき)な価値(かち)」が危ぶま(あやぶま)れると、「危機(きき)遺産(いさん)」(「危機(きき)にさらされている遺産(いさん)」)と指定(してい)されます。それでも、その後(そのご)の努力(どりょく)で後世(こうせい)へ残さ(のこさ)れると判断(はんだん)された場合(ばあい)は、危機(きき)指定(してい)を解除(かいじょ)されることもあります。2007年(ねん)にニュージーランドで行われ(おこなわれ)た第(だい)31回(かい)世界(せかい)委員会(いいんかい)では、新た(あらた)に危機(きき)遺産(いさん)に指定(してい)された物件(ぶっけん)が3件(けん)あった一方で(いっぽうで)、保全(ほぜん)の努力(どりょく)が認め(みとめ)られ、危機(きき)指定(してい)を解除(かいじょ)された物件(ぶっけん)が4件(けん)ありました。危機(きき)指定(してい)を解除(かいじょ)された物件(ぶっけん)●カトマンズ盆地(ぼんち)(ネパール 文化(ぶんか)遺産(いさん))急激(きゅうげき)な都市(とし)開発(かいはつ)で2003年(ねん)に危機(きき)リストに記載(きさい)されました。その後(そのご)、ネパール政府(せいふ)の歴史(れきし)遺産(いさん)保護(ほご)のための努力(どりょく)が認め(みとめ)られ、危機(きき)リストから除外(じょがい)されました。●リオ・プラターノ生物圏(せいぶつけん)保護区(ほごく)(ホンジュラス 自然(しぜん)遺産(いさん))1996年(ねん)、木材(もくざい)の伐採(ばっさい)、狩猟(しゅりょう)、農地(のうち)拡大(かくだい)により危機(きき)リストに記載(きさい)。その後(そのご)、ホンジュラス政府(せいふ)による是正(ぜせい)努力(どりょく)により危機(きき)リストから除外(じょがい)されることになりました。●エヴァーグレース国立公園(こくりつこうえん)(アメリカ合衆国(がっしゅうこく) 自然(しぜん)遺産(いさん))周辺(しゅうへん)の都市(とし)開発(かいはつ)や公害(こうがい)、ハリケーン被害(ひがい)で1993年(ねん)に危機(きき)リストに記載(きさい)されましたが、修復(しゅうふく)のための科学的(かがくてき)、経済的(けいざいてき)努力(どりょく)により危機(きき)を脱し(だっし)たと認め(みとめ)られ、危機(きき)指定(してい)を解除(かいじょ)されました。●アボメーの王宮(おうきゅう)(ベナン 自然(しぜん)遺産(いさん))1984年(ねん)発生(はっせい)の竜巻(たつまき)被害(ひがい)により、1985年(ねん)に危機(きき)リストに記載(きさい)。世界(せかい)遺産(いさん)基金(ききん)の援助(えんじょ)とベナン政府(せいふ)の保全(ほぜん)計画(けいかく)の効果(こうか)が認め(みとめ)られ、リストから除外(じょがい)されることになりました。各国(かっこく)の保全(ほぜん)努力(どりょく)で危機(きき)リストから除外(じょがい)される物件(ぶっけん)がある一方で(いっぽうで)、オマーンのアラビアオリックス保護区(ほごく)のように危機(きき)遺産(いさん)リストに挙げ(あげ)られるまもなく、登録(とうろく)抹消(まっしょう)されてしまった物件(ぶっけん)もあります。

世界遺産

ユネスコ世界遺産委員会によって、「顕著で普遍的な価値」が認められ、一定の条件を満たすと判断されると、世界遺産に登録されます。しかし、登録と同時に、またはその後の保全状況の報告、再審査によって、その「顕著で普遍的な価値」が危ぶまれると、「危機遺産」(「危機にさらされている遺産」)と指定されます。それでも、その後の努力で後世へ残されると判断された場合は、危機指定を解除されることもあります。

世界遺産